久々の伊坂幸太郎
このところ、ほとんど小説を読めていなかったので、この本を読めて満足。
引用
「シアンさんのことですよ、それは。いつも心配ばかりで。ああ言えば、こう心配。こう言えば、ああ心配」
ペッパーズ・ゴースト | 伊坂幸太郎 |本 | 通販 | Amazon
「びっくりしたよ。その部下は、ただ、そう言っていただけなんだよ。彼は、部下の態度や行動ではなく、発していた言葉だけで信頼していたんだ。もちろん、『お世辞だろうな』『真に受けたらいけない』と思っている部分はあったのかもしれないけれど、ただ、ずっとそう言われていると、本心だと思ってしまったんだろうね。これはその人だけじゃなくて、人間の、言葉でコミュニケーションを取る動物の、本能的な部分だと思う」
ペッパーズ・ゴースト | 伊坂幸太郎 |本 | 通販 | Amazon
思い出したのは、ペッパーズ・ゴーストという言葉だ。劇場や映像の技術ひとつで、ペッパーさんなる人が関係していたはずだが、照明とガラスを使い、別の場所に存在するものが、あたかもいるかのように登場する。
ペッパーズ・ゴースト | 伊坂幸太郎 |本 | 通販 | Amazon
不幸や恐ろしいことは、予想もしないところからやってくるんだよ。事前に、こうなったら嫌だな、と心配していたことは意外に起きない。子どもの頃からそうだ。それによく考えてみろ、もし、予想通りに嫌なことが起きたなら、『嫌なことが起きたけれど、予想が当たった!』という喜びは味わえるわけだろ。それは、嫌なこととは言えない」
ペッパーズ・ゴースト | 伊坂幸太郎 |本 | 通販 | Amazon
「あの本に書いてあっただろ。抵抗しないやつ、あまりにも我慢強いやつ、なんでも耐えるやつ。そういった人間には吐き気を催す、と。あ、俺のことだな、と思ったよ。あの本の表現を借りれば、あまりにも譲歩し過ぎたんだ。真面目に、周りに迷惑をかけずに生きていければそれでいい、と思い込んでいた。『そんなことをしていても、奪われる時は奪われる』とも書いてあったじゃないか。とにかく、自分の望むことをやれ、と。望むことのできる人間になれ。まさにその通りだと思った。そうやって生きてきたほうがよっぽど良かった」
ペッパーズ・ゴースト | 伊坂幸太郎 |本 | 通販 | Amazon
「その結果、辿り着いたのが、人生は別に変らない、長いスパンで見れば永遠に同じ人生が繰り返される、という思想で」
ペッパーズ・ゴースト | 伊坂幸太郎 |本 | 通販 | Amazon
読んでいたら、聞きたくなる曲
途中、何度も出てくるから、どんな曲だったかな?と思ってやっぱり聞いちゃったよね。
コメント